第46章 父からの依頼の先に…(4)
翔「その後、彼女はセツさんによって『実子』として育てられました…」
潤「じゃあ『栗原けい子』さんが…」
翔「櫻井美智子さんだよ…昨日セツさんが生前親しくしていた奥田さんという人に聞いた…何でもセツさんの実の娘…けい子さんは1歳の時、川で溺れて亡くなったらしい…けどそれを信じられなかったセツさんは、川で倒れていた美智子さんを自分の娘と信じて…」
最愛の娘と信じて疑わなかったんだ…
生きて戻ってきたと…
和「けど、美智子さんはセツさんが母親ではないと解らなかったんですか?」
翔「事故のショックで記憶喪失になっていたらしい…目が覚めた時、何も覚えていなかったそうだ」
すると突然、正面に座っていたお父さんが立ち上がり
翔父「それで妹は…美智子は今何処に居るんだ!?」
翔「…セツさんの死後、まだ子供だった美智子さんは施設に入り、その後ある家庭に養子として引き取られました…引き取られたのは…松本家…」
智・潤「…え?」
翔ちゃんの話を聞いていた智兄と潤が、声を揃えて驚いた様な声を出した
和「…どうしたんですか?」
智「あ、いや…ただの偶然なんだけど…」
潤「松本けい子って…母さんと同姓同名…」
和「え?」
それを聞いた俺は、あの写真を思い出した
雅「あっ、思い出した!あの時見せてもらった写真の顔、何処かで見たと思ったら、智兄と潤のお母さんに似てたんだ!」
…って…え?あれ?