第44章 父からの依頼の先に…(2)
「あの…おばあちゃんに話って何ですか?」
翔「実は、50年程前になるんですが、近くの川で行方不明になった人を探してまして…」
そう言って俺はおばあさんに写真を見せた
翔「この女の子の方なんですが…何か心当たりはありませんか?」
するとおばあさんは写真を見て
マツ「あー…ケイちゃんじゃないか…」
智「えっ?」
…ケイちゃん?
潤「何かご存知なんですか!?」
マツ「ほら…セツさん所のケイちゃんだよ…懐かしいのー…」
…は、話が見えない…
そもそもセツさんって…
和「あの…セツさんというのは?」
「隣の集落に住んでた栗原セツさんって方の事です。もう亡くなって何十年か経ちますけど…」
雅「じゃあ、そのケイちゃんって人は?」
「セツさんの娘さんです。セツさんの死後、他に身寄りがなかったので何処かの施設に入ったとか…」
翔「その人は実の娘さんなんですか?」
「そうです」
俺は確認の為、話をしてくれた女の人にも写真を見せて
翔「そのケイさんはこの写真の人に似てますか?」
「んー…私も子供の時だったから、ハッキリとは覚えてなくて…」
…空振りか…恐らく似てるだけなんだろうな…
翔「すみません、ありがとうございました」
「いーえ、大してお役に立てなくて…」
雅「おばあちゃん、元気でね」
マツ「大吾…何処行くんだい?今日は大吾の好きなお刺身を用意しとるのに…」
「おばあちゃん、大吾はもう帰るのよ」
雅「ごめんねー…おばあちゃん。またね」
…結局、雅紀は大吾になったのか…