第42章 Ì want to see you
将「翔が島に来て間もなく1年になろうとした時、翔の記憶が戻るきっかけになった事件があったんだ…」
雅「事件…?」
将「…強姦未遂だ…」
雅「なっ…!」
翔ちゃんが…強姦に…!?
将「あの時…俺が動けなかった事で翔が代わりに薬を届けに出て…その帰りに島外の男2人から無理矢理…」
雅「それで翔ちゃんには…!」
将「大丈夫…未遂だから…」
そ…そうだよな…けど、良かった…
将「薬を届けた家主が、翔1人で帰すのは気になるからと後を追ってきてくれてて、男達に連れて行かれるのを見て俺に連絡してくれたんだ。そして2人で探していたら翔の声が聞こえて、駆け付けたらその男達は逃げ出した」
雅「…それで何で俺に会いたいって事に…」
将「その時の翔の叫び声が…『助けてまさき』って…叫んでたんだ」
雅「…えっ」
お…俺を呼んだのか…?
それとも先生を…
将「今まで翔は俺の事『先生』としか言ってなかったんだ…なのに『まさき』と叫んで…その時は恐怖から思わず叫んだんだとしか思わなかった…けど俺は内心嬉しかったんだ…翔が俺の事を求めてくれた…と…だが違った…翔は君を求めてたんだ」
雅「何故…そうだと…」
将「翔が…『違う…雅紀じゃない』と…」
雅「翔ちゃんが…」
将「その後、意識を失って目が覚めたら記憶が戻っていた…幸か不幸かその強姦未遂を含めて1年間の記憶を忘れていたんだ…」
そうか…翔ちゃんはその時思い出したんだ…
忘れていた記憶…
海里に強姦されたあの恐怖を…
それが引き金になって…