第42章 Ì want to see you
将「翔に伝えなかったのは…まあ、色々あるんだが…1つは記憶がないのに、孤児だと教えるのはショックが大きいんじゃないかと思ったんだ…あとは…俺達の勝手な我儘だな…」
雅「…さっきの遥さんの言葉…ですか?」
将「遥と…俺もだよ…」
雅「…え?」
将「俺も…翔と別れたくなかった…ずっと俺達の住むあの島に居てほしかったんだ…愛していたから…」
先生のその言葉に少なからず俺はショックを受けた…
先生は自分達の欲求の為に、俺達から翔ちゃんを遠ざせた…
将「…軽蔑するか?」
雅「…わかりません…先生は傷ついた翔ちゃんを助けてくれた…けどその代償に翔ちゃんに真実を隠して…」
翔ちゃんが居なかった1年間…俺達がどんな思いでいたか…
将「すまなかった…謝っても謝りきれない…」
雅「…謝罪なら俺だけじゃなく、俺の兄弟にもして下さい…特に潤は夜も寢らず、食事も取らずに翔ちゃんを探してました…そのせいで1度倒れて…」
将「もちろん、明日帰る前にもう1度行って全て話すつもりだった」
雅「なら、何故俺にだけ話があると…」
俺が訪ねると、先生は少し寂しそうな顔をしていた
将「…今回こっちに来たのは、仕事の関係なんだが、遥が翔に会いたがってな…それなら1度様子を見に行こうかとなったんだ…それに俺は1度君に…『雅紀』に会ってみたかった…」
雅「…え?」
な、何で先生が俺に…?
俺は面識もないのに…