第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
翔「甲斐さーん、こんにちはー」
甲「あれ、海人くん?今日先生は?」
翔「先生は急患が入ったので、俺が代わりに来ました。今月分のお薬です」
甲「ありがとう、連絡くれたら取りに行ったのに…車イスで大変だったろ」
翔「大丈夫ですよ。たまには動かな…」
玄関で話をしていたら、甲斐さん宅の奥からバタバタと走ってくる足音が聞こえ
「海人ー!」
娘さんの恭子さんが走ってきた
翔「恭子さん、こんにちは」
恭「海人ひとり?遥はいないのね?」
…何で遥?
翔「あ、じゃあ俺はこれで」
恭「帰るの?なら私送ってくー!」
甲「お前はまだ晩飯の準備があるだろ!母ちゃんが風邪ひいて寝込んでるんだから」
恭「えー!?せっかく海人と二人きりなのにー!」
翔「…ハハ…」
…ホントに賑やかい家族だなー…
甲斐さんの家を後にして、俺は診療所に戻っていた
暫くすると前方から見た事ない男性が2人、こっちに向かって来ていた
…また島外の人か…ホントに最近多いよな…
そのまま横をすり抜けて行こうとしていたら
「あ、ねえねえ」
翔「…はい?」
突然声を掛けられた
「この辺にさ、泊まれる所ない?」
翔「泊まれる所ですか?いえ…この島には民宿はないので」
「えー?マジかー…向こうの島はいっぱいだって言われたからこっちに来たのになー…」
…だからって、こっちにあるかも確認せずに来たのかよ…
無計画な奴らだな…