第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
それから数ヶ月が経ち、俺がこの島に来て間もなく一年になろうとする頃…
<カチャ>
診療所のドアが開き、入ってきたのは女性3人だった
…あ…またか…
翔「こんにちは、どうかされましたか?」
「そこの砂浜で泳いでたら、友達が足切っちゃって」
翔「どうぞ、そこのドアから中に入って下さい」
女性達を診察室に通すと、女性を見た先生は
将「…また島外の人間か…」
…と、ボソッと呟いた
そう…ここ最近明らかに島の住民ではない若者が多く見られるようになった…
将「ちょっと見せて…あー…そこまで深くは切ってないね。これなら縫わなくても大丈夫だな」
「もー、なんなの?あの砂浜…危ないじゃない!」
将「あんたら、裸足で泳いだのか?ここは海水浴場じゃないから、整備してる訳じゃない。泳ぐならビーチサンダル履かなきゃな」
「えー!そんなの知らないわよ!ちゃんと書いといてよ!」
…地元民は皆知ってるから書いてないんだよ…
その後もブーブー文句を言いながら、その女性達は帰っていった
遥「あーもう煩い!お兄ちゃんあんなのの手当てなんてしなきゃ良かったのに!」
将「ばか…そんな訳にいかないだろ。しかし、最近は島外の人間をよく見るな…」
翔「今まではなかったんですか?」
将「ないな…ここは観光地って訳じゃないからな」
遥「それがね、何かの雑誌に隣の島の特集が載ったんだって。それで、近くのここにも遊びに来る人が増えたみたい」
静かな島なのに…他の島民に迷惑かける行為をしなきゃ良いけど…