第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
俺の記憶が戻るまで…
その気持ちに変わりはない…
この穏やかに過ぎていく時間…
俺はこんな毎日を望んでいた…そんな気がする…
何処か誰も知らない場所で…1人で生きて行こうと…
…何でそんな事思ったんだろう…
それに先生から話を聞いたあの日からずっと気になっていた…
俺を呼ぶ声…最近はっきり聞こえてきた…
『翔…ちゃん…』
あれは…誰なんだろう…
…会いたい…
何故か無性に会いたいと…ずっと思ってた…
将「海人、こんな所で何してるんだ?」
翔「先生…」
近くの砂浜で1人海を眺めながらずっと考えていたら、いつの間にか先生が俺の背後に立っていた
将「…俺が話した事で考え事か?」
翔「…はい…」
将「すまないな…お前に話すのは、もうちょっと情報を集めてから…って思ってたんだがな」
翔「いえ…俺の名前が解っただけでも感謝してます」
そう…俺の名前は『翔』…それだけで今は…
将「俺も…遥と同じ気持ちだよ…」
翔「…え?」
将「お前にはここにいて欲しい…ずっと俺の側で…記憶が戻るまでと言わず…」
翔「…先…」
将「好きだよ…海人…いや翔…」
…えっ…先生が…俺の事…
将「…男からの告白なんて気持ち悪いかもしれないが、俺は本気だよ」
翔「…そんな事…」
何でだろ…同性からの告白に嫌悪感が全くない…
すると先生は突然俺の額に触れるだけのキスをして
将「答えは急がないよ…ただ俺の気持ちを知ってもらいたかっただけだから」
翔「先生…」
先生の気持ちも嬉しいけど…
ふと、顔も解らないあの声の主が頭を過った…