第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
遥「何で海人とは身分が違うなんて言ったの?海人の家って…」
将「…遥も名前くらいは知ってるだろ…海人が養子に入ったのは『大野グループ』だ…」
翔「えっ?」
大野…グループ…
知ってる…この名前…
じゃあ俺は本当に…
遥「…うそ…ほ…本当に…?何で解ったの…?」
将「海人の背中にある銃創だ…一般市民なら何か事件に巻き込まれて負った傷痕だろうから、病院関係や過去のニュース等を調べてもらったが、一つ気になる事があってな…」
翔「気になる事…?」
将「ああ…その時病院に運ばれた患者の名前は『櫻井翔』となってたらしい…」
櫻井翔…?俺の弟が『松本』なら俺も松本姓のはず…
将「だから、その事も踏まえて調べてもらってる…」
遥「海人が大野だろうが櫻井だろうが、そんなのどっちでも良いわよ!あたしは海人が好きなんだから!」
翔「…は、遥…?」
突然遥が後ろから大声で叫びながら俺の正面に回り込んできて
遥「海人!あたしは身分なんて関係ない!あたしは海人が好き!だから…ここにいて…あたしの側にいて…」
翔「…遥…」
遥はそう言いながらポロポロと涙を流していた…
…そこまで俺の事…
俺は目の前にあった遥の手をそっと握り
翔「…ありがとう遥…遥の気持ち凄く嬉しいよ…」
遥「海人…」
翔「約束する…記憶が戻るまでここにいる…先生と遥の側にいるよ…」
遥「…ホント…?」
俺がそう言うと、遥はやっと何時もの笑顔になってくれた…