第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
散歩から帰って診察室を覗くと、先生は忙しそうに仕事をしていた
先生…1人で大変そうだな…
けど、いつかは遥が…
翔「え?遥は看護師にはならないんだ」
遥「うん、あたしには無理だから」
…てっきり遥は看護師になって、この診療所を先生と一緒にやっていくものだと…
翔「…じゃあ、この診療所は先生1人で…?」
遥「今までもお兄ちゃん1人でやってたし、あたしは好きな事やればいいってお兄ちゃん言ってくれたから」
そういえば、先生と遥のご両親は事故で亡くなったって…
この診療所も元はお父さんがやっていたって言ってたな…
翔「・・・」
遥「…海人?どうかした?」
翔「…ちょっと先生の所に行ってくる」
診察室を訪ねると、先生は机に向かって何かをやっていた
翔「…先生…」
俺が声を掛けると先生は手を止めて身体をこちらに向けた
将「おう、海人帰ったのか。たまには外の空気を吸うのも気持ちいいだろ」
翔「…それは先生もでしょ?俺がここに来て先生が外に出てたの、ほとんど見た事ありませんよ?」
将「ハハ、そうか…」
…先生…やっぱり疲れてる表情してるな…
翔「先生…医療事務って、未経験でも出来ますか?」
将「医療事務?まあ…出来る事は出来るが…それがどうした?」
翔「なら俺にも先生の仕事、手伝わせて下さい!」
将「…え?」
翔「無理に1人で頑張らなくても、俺で良ければ手助けさせて下さい。お願いします!」
将「海人…」
その時の先生は嬉しそうに微笑んでくれた