第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
…『潤』…
一瞬だけ浮かんだ名前…
けど誰なのか…
俺とどういった関係なのか…
でも、身体を気遣う程だからきっと親しい関係…もしかすると俺の家族…?
遥「…と…海人ってば!」
翔「えっ!」
遥「もー!さっきから何回も呼んでるのに」
翔「あっ…ご、ごめん…」
朝からボーっと考えてばかりいたから、突然遥から声を掛けられ驚いた
翔「で、何か用事?」
遥「用事っていうか…今日はいい天気だから散歩でも行かない?」
散歩か…あ、それなら…
翔「先生も一緒に誘わないか?」
遥「え?お、お兄ちゃんも?」
翔「うん、先生ずっと診療所に籠ってばかりだから、気晴らしにさ」
遥「え…で、でも…お兄ちゃん忙しそうだし…それに午後からも診察が…」
翔「なら診察に間に合うように近場でも良いし…俺声かけてみるよ」
遥「ち、ちょっと海人っ!」
俺はそのまま車イスを反転させて診察室に急いだ
翔「先生ー」
将「ん?何だ海人…」
翔「俺達と散歩に行きませんか?」
将「散歩?」
翔「はい、気晴らしにどうです?天気も良いし気持ちいいですよ?」
すると先生は俺を…というか、俺の背後を見て
将「…ぶっ…くくっ…」
翔「…?」
何故か突然吹き出してしまった
将「いや…遠慮しておくよ…ちょっと急ぎの仕事もあるんでな…」
翔「はあ…」
遥「ほら海人!お兄ちゃん忙しいんだから、2人で行こ?」
翔「う…うん…」
将「そうしてこい。俺はまだ馬に蹴られて死にたくないからな」
…何で馬?