第39章 番外編~記憶がなくても…貴方に会いたい~
将「それより、何かあったのか?」
翔「…え?」
将「いや…今ここの前を歩いてたら、お前の声が聞こえたから…」
声って…うわー…俺の寝言、廊下まで聞こえてたのかー…
翔「すみません…ちょっと寝言が出たみたいで…」
将「ハハ、寝言かー…何だ?怖い夢でも見たのか?」
翔「いえ、逆です…内容は覚えてないんですけど、いい夢だった気がします」
将「なるほどな…いい夢ほど朝起きたら忘れてるって事あるよな」
先生と話をしながら、ふと顔を見ると、少し顔色が悪いようだった
翔「先生…顔色良くないですよ?もう休んだ方が…」
将「ああ、大丈夫だよ。まだやらなきゃならない事があるんでな」
…けど、朝も早くから診療所で診察して、夜も遅くまで…
医者の不養生って先生みたいな人の事言うんだな…
…あれ?けど誰かいたよな…こんな奴…
朝起きたら家事をこなして、それから店をして終わればまた家事をして…
当初は顔色も悪くて、いつか倒れるんじゃないか心配した…
『私が…くんにそうしようと言ったんですよ』
…そういえば誰か他にもいたな…心配してくれた人が…
『こうでも言わないと潤くん休みませんからね。その内倒れますよ、あの人は』
翔「…えっ?」
将「どうした?」
翔「…今…『潤』って名前が…」
将「何か思い出したのか?」
翔「…わかりません…けど一瞬…」
誰なんだ…『潤』って…