第35章 commit a fault(3)
警察「それでは、夕べの事件についてですが、貴方はご存知でしたか?」
潤「はい、今朝ニュースで知りました」
警察「被害者と面識は?」
潤「昨日初めて知り合いました」
警察「何処で知り合ったんですか?」
潤「昨日の夕方ですが、駅前の地下道の階段を上がっていたら、彼女が足を滑らせたのか上から落ちそうになってたんです。それで急いで駆け上がって抱き止めました」
警察「…それだけですか?」
それだけ…って…何が聞きたいんだ?
潤「…その後、友達と駅前で合流して守屋さんの通夜に行きました。その時北田さんに声を掛けられました。なんでも守屋さんと小中一緒だったとか…」
警察「ああ、そうですね。その事は我々も確認してます。その後は?不審な人物は見かけませんでしたか?」
潤「特に何も…少し話して別れました。不審者も見てません」
…そう言えば夕べは妙な気配は感じなかったな…
あれだけ弔問に訪れた人がいたら解らないか…
警察「そうですか…では、これに心当たりは?」
そう言って俺の前に一枚の名刺を差し出してきた
潤「心当たりって…これは僕が経営している喫茶店の名刺ですが…」
…この名刺の所々に赤くついてるの…これってもしかして…血…?
警察「この名刺を北田彩乃さんが握りしめて倒れてました」
潤「それは、彼女がまた会ってもらえるかと言ってきたので、喫茶店をやってるので良ければ来て下さいと渡したので…」
なるほど…それで警察は俺を疑ってるのか…