第33章 commit a fault(1)
守「松本くんの家、2丁目の公園近くでしょ?私も方向同じだから」
潤「あ、俺今引っ越してて反対方向なんだ」
守「えっ、そうなの?」
あー…そうだよな…圭人ですら知らなかったんだからな…
けど、女の人1人で帰らすのもな…
潤「良いよ、家まで送ってくよ」
守「ホント?やっぱり松本くん優しいー」
…少し仕込みが遅くなるけど仕方ないな…
守「林田くんに聞いたわよ?松本くん今喫茶店してるんでしょ?何か凄い人気なんだって?」
潤「そんな事ないよ」
守「行ってみたいなー…ねぇ、行って良い?」
潤「もちろん。同級生特権でサービスするよ」
そんな他愛ない会話をしながら歩いていたら
守「あ、私の家その門を曲がってすぐなの」
そう言って指差す方向に一軒の家が見えた
潤「じゃあ、あとは大丈夫だね。俺はこの辺で…」
彼女を自宅前まで送って、そのまま引き返そうとしたら
守「あ、松本くん!」
潤「…えっ?」
何故か突然呼び止められた
守「ね、ねえ…松本くんってまだ未婚よね?彼女…いるの?」
潤「彼女?」
うーん…和がいるけど彼女では…ないな…(可愛い顔してるけど、一応男だし…)
潤「彼女はいないけど…」
守「ホント!?」
…?何そんなに喜んでんだ?
潤「…でもそれが…」
守「何でもない!近いうちに松本くんのお店絶対行くから!」
潤「…うん…?」
…何だ?今何か鋭い視線を感じたけど…見た所誰も見当たらない…
守「…松本くん?」
潤「あ、何でもない。じゃあ…」
訳も解らず、俺はそのまま家路についた…
…けど俺はその後、彼女が自宅に入っていくまで見送らなかった事を後悔した…