第31章 解りあいたくて…
和「私が大野グループを継ぐのが決められた事なら従います…けど…結婚だけは…」
会長「和也…お前も私の意向に背くのか…」
和「それは…」
その時おじいさんを見ると、普段と変わらない厳格な表情の中に微かに寂しげな表情が見え隠れしていた
ああ…そうだ…
雅紀兄さんのお母さんはおじいさんの反対を押しきって駆け落ちして…早くに亡くなってしまった…
おじいさんはもしかして俺に雅紀兄さんのお母さんを重ねてるのか…?
そんな重苦しい空気を感じたのか…
智「…じいちゃん…俺は和也一人に責任を押し付けるような事はしたくない…俺も協力するから和也を自由にしてくれないか?潤も和也も…俺にとっては大切な弟なんだ…」
潤「会長…勝手な事をして本当に申し訳ありません…けど、俺は本気なんです…本気で和が大切で…」
会長「勝手にしろ!」
そう叫んでおじいさんは部屋を出ていってしまった…
和「おじいさん…」
「…大丈夫よ和也…おじいさんもどう接して良いのか解らないだけなのよ」
和「おばあさん…でも…」
祖母「ただちょっと驚いただけなのよ。だってまさか智に続いて和也と潤さんもなんてね」
そう言いながらおばあさんはコロコロと笑っていた
潤「…すみません…」
祖母「良いのよ、それより今はこれ以上言ってもおじいさんも聞かないから、この話はまたにしなさい」
智「…そうする…じゃあ2人とも帰ろうか」
和「…はい…」
…ごめんなさい…おじいさん…