第28章 思わぬ贈り物?
翔「雅紀…ごめんな…」
雅「…え?」
目を覚ました翔ちゃんは何故か突然俺に謝ってきた
翔「こんな事になって…俺…もしかしたらもう戻れないかもしれないし…」
そう言って翔ちゃんは自分のベッドで丸くなってしまった
雅「翔ちゃん…今回の事は翔ちゃんのせいじゃないよ…翔ちゃんだって巻き込まれたんだから…」
けど翔ちゃん自身もショックだよな…
…そうだ…こんな時だからこそあれを!
雅「翔ちゃん、ちょっと待っててね」
俺は急ぎ自分の部屋に駆け込んで、ある物を持って翔ちゃんの部屋に戻った
雅「翔ちゃん、手を出して」
そう言うと翔ちゃんは、何も言わずに毛布の端から左手だけを出してきた
そして俺は持ってきた物を翔ちゃんの薬指にソッとはめた
翔「…え…?」
何かがはまった事に気が付いた翔ちゃんは、被っていた毛布から顔を出して左手を見て目を丸くしていた
翔「…これ…」
雅「死んだ俺の母ちゃんの結婚指輪なんだ…今の翔ちゃんならはめられると思って…貰ってくれる?」
すると翔ちゃんはベッドから飛び起きて
翔「ば、馬鹿!そんな大事なもの貰えるかよ!」
雅「うん。もちろん、ただであげるわけじゃないよ。翔ちゃん…俺と結婚して下さい」
翔「ま…雅紀…」
雅「俺、別に翔ちゃんが女の子になったから言うんじゃないよ?何時かは言おうと思ってたんだけど、なかなか機会がなくて…翔ちゃん…返事は?」
その時の翔ちゃんは目に涙を目一杯溜めて
翔「返事なんて…解りきってるだろ…」
そう言って俺に抱きついてきた…