第23章 a mistake(3)
一頻り泣いて落ち着いたのか、伊集院さんは顔を上げて
伊「…私…行くわね…」
智「え?行くって何処に…」
伊「警察よ…私のやった事は殺人未遂…」
翔「…は?殺人未遂って…何がですか?」
伊「…え?」
立ち上がろうとしていた伊集院さんだったけど、俺の言葉に動きを止めた
和「翔兄さん、どうやら伊集院さんは翔兄さんが車に当たった事を言ってるみたいですね」
翔「あれは、俺の足が悪くて勝手に転んだだけなのに、それで警察に行かれてもなー…」
雅「ホント、だから気を付けてっていつも言ってるのに…和も責任感じてさー…」
俺達がそう言うと、伊集院さんは面食らった顔をしていた
伊「あ、貴方たち何言ってるの?だってさっきは…」
翔「あー…すみません。俺自分で転んだのバレると恥ずかしいから、貴方のせいにしてしまって」
潤「ちょっと翔兄さん、もしこのまま伊集院さんが警察に行くと、翔兄さんが虚偽の事故を装ったと言われるよ」
翔「えっ!それはヤバい!」
智「…そうなると、確実に岡っちに怒られるのは俺だろうな」
俺達のそんな掛け合いをポカンとした顔で見つめていた伊集院さんに
翔「そんな訳なんで、警察には行かないでもらえません?」
伊「で、でも…私は病院でも…」
翔「病院?何か変な注射うたれそうになった夢なら見ましたけど…それが何か?」
そこまで言って、伊集院さんは俺の意図を把握したらしく
伊「ありがとう…」
そう言ってまた泣き出してしまった