第21章 a mistake(1)
智「貴方とその人物の関係が解らないと、後々問題になる事もありますので」
桐生「…言いたくないと言ったら?」
智「その場合は申し訳ありませんが、当方ではお受け出来ません」
智くんの言葉に依頼者は顔をうつ向かせてしまった…
…関係を知られたくないのか?
桐生「…この事は他言無用にしてもらえますか?」
智「依頼者の秘密は守ります」
そう言うと、話す気になったようで
桐生「ある男を探して欲しいんです…ただ、名前は解りません。それと顔写真もありませんし、私自身会った事もありません」
智・翔・雅「…は?」
えっ?そ、そんな人物を探せって?
雅「ち、ちょっと待って下さい!そんな人物をどうやって探せと?」
…おいおい…この間の幽霊からの依頼と同じパターンだぞ?
智「あの…常識的に考えても、それで人探しが出来るとは思えませんが…」
桐生「解ってます。無理を承知でお願いしてます。けど、何処の探偵事務所にお願いしても断られて…」
…そりゃそうだろうな…
翔「…ひとつお伺いしますが、何故その人物を探してるのですか?何か特別な訳が…?」
すると、依頼者はまた俺の顔をじっと見て
桐生「…この男は人殺しです…」
智・翔・雅「えっ!?」
人殺し!?
智「す、すみません!人殺しって一体…!」
桐生「私の娘はこの男に殺されたようなものです…」
翔「それって…」
<~~~♪>
そんな話をしてる中、事務所の電話が鳴り出した
翔「ちょっとすみません…」
席を立って電話に出ると、さっき剪定の依頼をしてきた人だった
翔「はい…来週ですか?そうですね…来週の水曜日なら大丈夫かと…はい…ありがとうございます」
暫く話をして振り向くと
翔「…あれ?さっきの依頼者は?」
雅「急用が出来たから帰るって」
智「この依頼ももう良いってさ」
翔「は?」
何なんだ?それは…