第21章 a mistake(1)
翔「はい…申し訳ありませんが…」
結局、雅紀では剪定は無理と判断して(剪定を草むしりと思ってる時点で諦めた)先方に連絡して日程を変更してもらうよう、電話した
雅「…ごめんね翔ちゃん…」
翔「智くんが無理かもと思ったから、先方には確認してからって言ってたんで大丈夫だよ」
智「…今度から昌宏に限度を考えろって言っとく」
とりあえず、今日の依頼は他にないから、智くんは休ませて…
そう考えていたら…
<コンコン>
翔「はい」
事務所のドアをノックする音が聞こえた
…智くんの依頼なら今日は断って、雅紀か俺が行けるようなら受けるか…
「失礼します…あの…ご依頼をお願いしたいのですが…」
開いたドアから顔を覗かせ入ってきたのは、中年の女性だった
翔「こちらへどうぞ」
女性をソファーへ促し、智くんと向かい側に腰掛けていたら
「・・・」
翔「…何か?」
「えっ…あ、いえ…」
…?さっき俺の事見てなかったか?
女性に必要事項を記入してもらい、その書類を智くんが受け取っている時も、何故か何度も目が合った
…何処かで会ったかな…
智「…翔くん?」
翔「えっ…あ、ごめん。えっ…と…桐生弥生さんですね…」
桐生「…ええ…」
桐生弥生…やっぱり心当たりないな…
翔「依頼内容は人探しとありますが、その方はご家族ですか?」
桐生「いえ…」
智「では、どういったご関係ですか?」
桐生「…話さないといけませんか?」
何だろう…何か話したくない訳があるのか?