第19章 真夏の夜の…?
雅「翔ちゃん!しっかりして!」
俺は直ぐ様翔ちゃんの身体を抱き起こし、揺さぶったけど目を覚まさなかった
どうしたんだ翔ちゃん
さっきまでは普通にしてたのに
急いで連れて帰ろうと抱き上げようとしたら
「こちらで休ませなさいな」
雅「えっ」
「無理に動かさない方が良いわ。すぐ部屋を用意するから」
…この人…そう言って気遣ってくれてるようだけど…さっきから表情が少しも変わらない…
ずっとニコニコしてて…
人1人倒れたっていうのに、何でそんなに落ち着いてるんだ…?
雅「…いえ…ご迷惑になりますので連れて帰ります。昨日のお話がもう大丈夫なら、俺も用は…」
そう言って帰ろうとしたら
<ガシッ>
雅「えっ?」
何故か翔ちゃんの腕を掴んで、俺の顔を見据えていた
「ダメよ…帰さないわ…」
雅「…何故ですか?先程貴方の探し物はもう大丈夫だと…なら俺達がここにいる意味は…」
「貴方に用はない…けどこの子は置いていきなさい」
えっ翔ちゃんを?
雅「どういう事ですか?何故翔ちゃんが…」
「この子は私の命…光り輝く私の物…」
…それ…昨日俺に言ってきた…
じゃああの探し物って…翔ちゃんの事!?
その時、今までずっとニコニコとしていた女の人の顔が明らかに変わり、俺を睨み付ける形相に恐怖を感じた…
ヤバい…早くここから逃げないと!
俺は翔ちゃんの腕から女の人を引き離し、ドアに駆け寄ろうとした
「逃がさないわ!」
そう叫んだ途端
<バタン!バタン!>
雅「えっ!?」
俺達が入ってきたドアが閉まり、開いていた窓も閉じられてしまった