第16章 隠された想い
和「遊びに…って…?」
翔「んー…ほら、何かお前がオススメのゲームとか。俺初心者だから、簡単なの何かある?」
和「まあ…あるのはありますが…本当に翔兄さんそれだけの為にここまで?」
翔「半分はそう。後は俺のお節介」
…って事はやっぱり…
和「…はい…これなんか簡単なので大丈夫だと思いますよ?雅紀兄さんもやったことあるので、教えてもらって…」
翔「今度はさ、俺がお前の力になるよ」
和「え?」
俺の力に…?
翔兄さん…一体何の事を言ってるんだろう…
翔「お前には、俺が孤児だって知られた時から全てを皆に話したあの時まで、色々と助けてもらったからさ。いつか機会があったら、今度はお前の手助けをしたいって思ってたんだ」
翔兄さん…そんな事気にしてくれてたんだ…
和「…ありがとうございます。でも本当に何でもありませんので…」
翔「何でもない奴は、傷付いて泣いたりしないよ」
和「翔…兄さん…」
翔兄さんはそう言って俺の頬にソッと手を添えて
翔「誰だって人に知られたくない事があって当たり前だ…だから無理に話せとは言わない…けど、だからってお前1人で抱え込む事はないよ。俺達は兄弟なんだから…ってお前が以前言ってくれたよな?」
あ…
すると翔兄さんも潤くんと同じで俺の身体をソッと抱き締め、背中をポンポンと叩いて
翔「先ずは思い切り泣いて良いよ。潤の前では隠してたんだろ?」
和「翔…兄…う…うう…」
俺はそのまま翔兄さんの胸で思い切り泣いた