第16章 隠された想い
~潤side~
潤「…よし、準備終了」
本日やっと退院となり、俺は必要な荷物を全て鞄に納めた
雅「潤、忘れ物ないか?」
潤「んー…大丈夫だよ」
智「じゃあ帰ろうか。潤は何も持たなくて良いからゆっくり来いよ」
そう言って雅紀兄さんと智兄さん、翔兄さんが全部荷物を持って行ってしまった
潤「自分の荷物くらい自分で持つのに…」
翔「何言ってんだ、ここで無理したら元の木阿弥だろ」
…あれ?それ俺が前に言ったセリフだよな…でもあの時翔兄さん記憶がなかったのに…(「ひとつ屋根の下」第90章)
荷物を持ってもらい、病室を出て暫くして
和「お待たせしました。今挨拶してきました」
和がナースステーションから戻ってきた
…今日は来てくれたんだよな…
和「…潤くん、どうかした?」
潤「…あのさ和…今日時間取れるか?」
和「…え…何で…?」
潤「その…ちょっと話があるんだけど…」
俺がそう言うと、何故か和は視線を俺から外し
和「…ごめん…今日この後劇場に行かなきゃならないんだ…帰りも遅くなるから、潤くん先に休んでて良いよ」
潤「えっ…この後か?」
和「うん…俺もう行くね。ちょっと抜けさせてもらっただけだから、早く戻らないと」
潤「あっ…」
和はそう言って俺に背を向けて行ってしまった
…結局俺の目を見ることなく…