第16章 隠された想い
~和也side~
空くんが母親と共に俺達の元を離れて数日後、父親も退院した
原口さんからお礼に伺いたいと電話連絡があったけど、皆で話して
智「お礼等は大丈夫ですよ。お身体大切にして下さい」
と、智兄さんが言っていた
和「…良かったんですか?雅紀兄さん…原口さん、ご家族でY県へ引っ越すって言ってましたよ?」
雅「良いんだよ…原口さんだって一刻も早くあんな事忘れたいだろうし、俺も空に会うと別れが辛くなるから…」
翔「…そうだな…」
智「まあ、またいつか会えるさ。Y県なら遠くないし」
雅「うん…」
そう言って雅紀兄さんは少し寂しそうな顔をしながらも、微笑んでいた
智「さて…っと…後は潤が退院するのを待つだけだな」
雅「そうだね、俺明日にでも喫茶店の掃除してくるよ」
…そうだ…もうすぐ潤くんが退院してくる…
翔「…和也…どうしたんだ?」
和「えっ…何でもありませんよ?」
翔「そう…か…」
…翔兄さん…やっぱり気付いてる…よな…
俺が潤くんの事避けてるの…
あの日…俺は斗真くんに拉致されて…そして無理矢理抱かれた…
でも、その後俺は自分から抱かれにいった
斗真くんを油断させて情報を得るため…
その為に俺は…潤くんを裏切ったんだ…