第13章 空から落ちてきた天使(7)
若男「中身を確認してみろ」
…恐らくこの男が依頼主なんだな…
とりあえず雅紀兄さん達が来るまで、何とかこの場に留まっておかないとな…
そう思い、何かないかと奥を覗いてみると
和「…あれは…」
奥に両手両足を縛られ、横たわる男女がいた
…2人とも身体中傷だらけで目も虚ろ…
かなり酷い拷問されたのか…?
早く助けて病院に連れていかないと…
そう考えていたら、その横に…
和「えっ…」
赤ん坊が横たわっているのが見えた
和「空くん!」
俺は思わず駆け出し、空くんの身体を抱き上げた
和「空くん!空くん!」
俺が何度も声を掛けると空くんは
空「…ぁー…」
と声を出したけどその声は弱々しく、今にも消えそうな声だった…
男「おい貴様!何勝手な事…!」
和「あんたら!ちゃんと赤子の世話してないのか!?何でこんなに弱ってるんだよ!」
男「あー?ガキの面倒なんか知るかよ!データの行方を聞き出す為に連れてきただけだ」
…くっ…しまった…空くんだけは俺が預かるべきだった…
早く…兄さん早く!
斗「おい和也…こっちに…」
斗真くんが俺の腕を掴み、立たせようとしたその時
<バキッ!>
斗「!?」
男「何だ貴様…うぐっ!」
…あ…
雅「和!大丈夫か!?」
和「雅紀兄さん!」
雅紀兄さんが入り口付近に立っていた男達を殴り倒していた
そしてその後ろから
智「和也!」
和「智兄さん!」
智兄さんも駆け付けてくれていた