第13章 空から落ちてきた天使(7)
~和也side~
翔兄さんも雅紀兄さんも何も言わなかった…
…潤くんの事…
きっと俺の胸に付いている盗聴器を通して、潤くんの無事を知られたくなかったんだろう…
…けど…もしかして本当は潤くんの容体を聞いた俺が動揺する事を避けるために…
そんな事ない…きっと潤くんは…
斗「…どうした和也…」
和「えっ…あ、何でもありません。家族にバレないように振る舞ったから疲れたのかも」
途中俺の事を見張ってたのか、斗真くんが近寄ってきた
…あぶない…思わず泣きそうになってた…
和「それより、ちゃんと言われた物を持って来ましたよ」
斗「ああ…よくやった」
和「…それだけですか?忘れないで下さいよ…ご褒美…」
斗「ふっ…解ってる…帰ってからな。その前にこのベビーカーを依頼主に渡さないとな」
依頼主…一体誰なんだ…?
俺は車に乗せられ、斗真くんとその『依頼主』に会うため向かった
暫くして着いた先は、どこかの工場跡地だった
…隠れ蓑としてはワンパターンだな…
ベビーカーを降ろし、斗真くんとその跡地に入ると男が数人と、その後ろに少し若い男性が1人立っていた
斗「約束の代物だ」
若男「中身は確認したか?」
斗「いや…それくらい自分等でやれ」
若男「おい…」
若い男が他の男達に指示を出し、ベビーカーをくまなく探していたら
男「ありました」
ベビーカーの底からUSBを取り出していた