第13章 空から落ちてきた天使(7)
~翔side~
雅「…空…どうしてるかな…」
翔「え?」
雅「ん…和も気になるけどさ、空も大丈夫かな…って思って…泣いてないかな…とか、お腹空かせてないかな…って…」
…そうだよな…空は雅紀が助けてずっと面倒見てきたからな…
翔「…早く助けてやらないとな…」
雅「…うん…」
そんな話をしている矢先…
<カチャ…バタン>
雅「…あれ?今玄関開いたよね?誰だろ…」
翔「…おかしいな…智くんはまだ松岡さんの所に…」
…確かに玄関の鍵はかけてたハズ…
雅「…翔ちゃん…下がってて…」
雅紀が警戒してリビングの入り口で待っていたら、入ってきたのは…
「…そんな所で何してるんですか?雅紀兄さん…」
雅「…えっ…か、和!?」
和也が突然何事もなかったような顔をして帰って来た
翔「和…!」
俺も思わず和也の側に近づこうとしたその時、何故か和也は俺に向かって口に人差し指を当て、声を出すなと言うような仕草をしていた
そしてよく見ると、和也の胸に見たことのないバッチが付いていた
…まさか盗聴されてるのか?
俺はすぐさま近くにあったメモ用紙とペンを取った
雅「和!今までどうしてたんだよ!大丈夫だったのか!?」
和「大丈夫もなにも、私は自分でホテルから出たんですよ?何もある訳ないじゃないですか」
雅「…は?えっ…和なに言って…」
事情が理解出来ていない雅紀に俺は
『どうやら和也は何か考えがあって行動してるようだ。胸元に盗聴器が付いてる。話を合わせろ』
と書いて雅紀に渡し、雅紀も理解したようだった