第11章 空から落ちてきた天使(5)
~翔side~
…思わず智くんにあたってしまった…完全に八つ当たりだ…
解ってる…智くんは関係ないって…
けど…
ー智くんがホテルのVIPルームが安全だって言わなければ、こんな事にはー
違う…智くんにも今回の事は予測不能だったんだ
ー和也が空を連れて身を隠すって言わなければ…ー
和也だって巻き込まれたんだ。現に今行方が…
ーそもそも雅紀が空を連れてこなければ…ー
雅紀が助けなきゃ空は今頃死んでいた…それに俺だって空の事可愛がって…
ーなら…何故潤は今…!ー
翔「やめろーーーっ!」
何で皆を責める!元を正せば俺の…俺のせいで潤と和也は…!
『…それは違うよ…翔兄さん…』
翔「…え…?」
今の声…まさか…
『これは誰のせいでも…ましてや翔兄さんのせいでもないんだ…だから自分を責めないで…』
翔「潤…潤なのか…?」
俺の脳裏に今はっきりと潤の声が聞こえた
けど…今俺の目の前にはベッドに横たわった潤の姿が…
潤『今はまだ動けないけど俺頑張るから…また翔兄さんの側に戻るから…だからもう泣かないで…』
…何だよ…自分が死にそうなのに人の心配ばかり…
翔「…馬鹿…泣いてねーよ」
潤『ふふっ…翔兄さんお願い…俺の代わりに和を助けて…』
…こんな時でも和也の心配なんだな…お前らしい…
翔「…解った…必ず和也は探しだすから…」
潤『…それから智兄さんと雅紀兄さんに…顔見知りでも気を付けてって伝えて…』
翔「えっ?」
潤『翔兄さんも気を付けて…』
翔「潤っ!…え?」
俺はいつの間にかソファーに座り、うたた寝をしていたようだった…