第11章 空から落ちてきた天使(5)
翔「…何で毛布が…」
気が付くと俺の身体に毛布が掛かっていてた
そして俺の両肩に重みを感じて見ると…
翔「…智くん…雅紀…」
智くんと雅紀が俺の両肩に頭を預けて眠っていた
その時廊下を歩いてくる音が聞こえ、その方向を見ると
松「翔、起きたのか」
翔「松岡さん…」
買い物に出てたのか、袋を提げた松岡さんが戻って来た
翔「松岡さんがこの毛布掛けてくれたのですか?」
松「いや、俺は今ホテルから呼び出しがあって行ってたついでに、いろいろ買い出しをしてきたから」
翔「じゃあ…」
これ…2人が…
松「コイツら、部屋用意したからそこで休んでろって言うのに、お前と一緒にここにいるって言って聞かなくてさ…」
翔「…え?」
松「だからその毛布も、多分用意してた部屋から持ってきたんだろうな…しっかし、1枚しか持ってこないっていうのもコイツららしいな」
…俺と一緒に使うために…
あんな酷い事した俺のために…
そしてよく見ると、智くんと雅紀の目元もうっすらと濡れていた
翔「2人とも…泣いて…」
松「…コイツらだって心配なんだよ…潤の事…でも、同じようにお前の事も大事なんだ…兄弟なんだから」
翔「智…くん…雅紀…」
智「…んー…あ…俺いつの間にか寝てた…」
雅「ん…?あれ…俺も…あっ翔ちゃんごめん!重かった…!」
俺は目を覚ました2人に思わず抱きついていた
智「えっ翔くん?」
翔「ごめん…ごめんね…2人ともごめん」
雅「翔ちゃん…」
そうだよ…俺達兄弟なんだから…
心配する気持ちも…思う気持ちも…おなじなんだ…