第1章 それは突然に
コトッ…
熱々のコーヒーを3人分用意した赤井はテーブルに置き、説明を仰ぐ。
『ありがとうー、お兄ちゃん。
さて、まずは自己紹介からかな?
初めましてお2人さん。
沖矢昴の妹、沖矢愛香こと、蓮見愛香よ。
赤井秀一と同じFBI…だけど、会ったことはないわね』
「君が蓮見愛香か…。
噂は聞いた事がある。
かなりの手練れらしいな」
『あら、ありがとうございます。
赤井さんこそ、ジョディから色々聞いてるわ』
「一体何を話しているのか、後で問いただす必要があるな」
「ねぇ!それで愛香さん、FBIのお姉さんがなんで沖矢昴の妹と名乗ってここに来たの?」
『あ、そうだね、本題に入ろうか』
彼女はここに来た経緯や目的を話し出した。
『まず、沖矢昴の妹なる経緯から。
簡潔に言うと組織に属しているものから赤井秀一を守るため。
1人身よりも家族が居た方がなお怪しまれにくいでしょ?
まぁ、潜入捜査も兼ねてはいるんだけども。
ただこっちに来てウロウロしてるよりも日本に住んで過ごした方が動きやすい、って言うのもあるわ。
次に組織の人間を監視する、と言う目的よ。
バーボンこと、安室透の監視が出来るように…って事で顔バレしていない日本人の私が呼ばれて、沖矢昴の妹として彼が働くポアロに潜入…って話よ。
まぁ、顔合わせは明日なんだけどね。
ちなみに優作さんと有希子さんから了承を得て、今日から私もこの家にお世話になりまーーすっ!
兄妹だから一緒に住んでないとねっ』
「ぼ、僕聞いてないよーっ」
『本人達に確認して貰えれば分かる筈だよ。
これから、よろしくね、ボソっ…工藤新一君…』
「ぼ、僕は江戸川コナンだよ!し、新一お兄ちゃんの従兄弟なんだっ」
ニコニコしながらコナンに近付き、耳元で愛香が囁く。
ビクッととしながら目を泳がせ明後日の方向を見て誤魔化すコナン。
『ふふふっ、まぁ、そーゆう事にしとくね。
貴方もこれからよろしく。
昴お・に・い・ちゃん♪』
どうやら奇妙な同棲生活(一応兄妹設定だが)が始まりそうです。