第5章 潜入デート
ジィィィーーーー…
ん…?なんか音が…
パサっ…
『あっ…!ちょっとっっ!!!』
さっきの音はジッパーを下げられた音で、下げられた事で服が下に落ちた音だ。
今日のこのワンピースは腕を通さないタイプの服なので、ジッパーで簡単に着脱出来る。
それを彼に脱がされてしまったのだ。
つまり今は下着姿になってしまった。
「うぉー…やっぱ生で触ると違うなー。
すげぇやわらけ」
そしてついでと言わんばかりにブラのホックまで外されて、素肌を触られている。
手際が良過ぎていつ外されたのか気が付かなかった。
男特有の大きな手でさえ余る程の大きい胸を触られて、変な声が出そうになる。
それを阻止する為に片手で抵抗し、もう片方は口元に当てて声を我慢する。
『いつの間にっ…!
本当ダメだってば…やめて、黒羽君っ!』
「快斗」
『え?』
「下の名前で呼んでくれたら、やめるわ」
『ひゃっ…よ、呼ぶからっ!
手を止めてっ…!』
話している間にも彼の器用な手が片方の胸を揉みしだき
もう片方は体を弄っているのだ。
くすぐっいような、気持ちいいような…まだその段階の刺激しか与えられていないが。
「なら、呼んで?
愛香」
そう耳元で優しく囁かれて、ぞくっとした感覚が走った。
とりあえずこの行為をやめさせなければ…と思い彼の要求に従う。
『お…お願い…。
もう触るのやめて…?快斗…』
手が止まっていたので振り向き、快斗の顔を少し涙を浮かべて見つめながらお願いをする。
前を向いた事によって、身体が見られるけど気にしていられない。
貞操の危機なのだ、仕方ない。
これでやめてくれるのであれば、身体を見られるのなど安いものだ。
ピシっ…と快斗の動きがとまった。
と思いきや、顔を真っ赤にしてガバッと抱きついてきた。
今、ショーツしか身につけていない為、彼の熱がダイレクトに伝わる。
温かいなぁ…なんて思っていたのもつかの間、彼の発言によって
平和に終わりそうだった空気が壊される。