第10章 最強タッグ(?)
「熱くないか」
『大丈夫です…』
何故か声が優しく感じる。
既に一緒にお風呂、は決定事項の様なので拒むのを諦める事にした。
一緒にシャワーのお湯をかけてあったまってきた身体は、余計に彼の体温を、存在を感じる気がして妙に意識してしまう自分がいる。
いつの間にか赤井も上半身裸の状態のようで、肌と肌が触れ合っている感触で更に倍増だ。
『んぅっ…!?』
そんな事に意識を取られていたので、彼がボディソープなる物を手に取っていた事に気が付かず、急なヒヤッとした刺激に思わず変な声を出してしまった。
彼の方はそんな事など気にする様子もなく、ボディソープを私の身体に滑らせて行く。
『っ…ふっ…』
その感触が、なんと言うか擽ったいと言うか、気持ちいいと言うか…複雑な気分にさせる触り方で。
我慢はしているものの、声が漏れてしまうのだ。
最初は肩から始まり脚の方まで滑っていった手は、身体の縁をなぞるかの様だったが、再び肩の所まで戻った手が鎖骨辺りに伸びて来たので思わず身体を反転させた。
身体の中心部を洗われるのはやはり抵抗感があったので咄嗟にとった行動だったが、すぐさま後悔をする事となった。
「…ん?どうした、まだきちんと洗えてないぞ」
そう視線を下に向けた彼の顔が近過ぎる。
イケメンは目の保養になるのは間違いないが、ドアップ過ぎると目に毒だ、本当に。
と言うか、男なのにこの色気はなんなんだ。
安室透も赤井秀一も色気が半端ない。
これを見習うべきなのだろうか…そう考えじぃーっと赤井の鎖骨から上ら辺をまじまじと観察する。
「ふっ…そんなに睨み付けた所で止めはしないぞ」
『っ…!!』
い、今笑った…!
ってか破壊力が凄いっ…。
観察をしていたのでモロにその笑顔爆弾を食らってしまった。
恐らく私の顔は今真っ赤だろう…まぁ湯気のおかげで分からないとは思うが。