第9章 帰国…?
「愛香さん、ご、ごめんなさい…。
でもみんな愛香さんの事心配してたし…見つけたから早く知らせた方がいいと思ったんだ」
『私は見つけて欲しくなかった』
「うぐっ…愛香さん、子供みたいな事言うんだね…」
『詐欺師に言われたくない←』
「こらこら、あまり子供を虐めてはいけませんよ。
詳しい話は家に着いてからたーっぷり話していただきましょう」
コナン君と口喧嘩みたいな事をしていたのに、仲裁に入った昴兄の言葉が怖すぎて思わず口を噤む。
家に着いたらって…えーー…もう既に工藤邸の前じゃん。
あれ、何故だろうか、玄関前に見覚えのある人物が立っている気がした。
「おや?
どうやら…お客様がお待ちの様ですねぇ」
昴兄も存在に気付いたのか、一旦家の前を通り過ぎ近くの借りている駐車場に車を停めた。
でもなんであの人が…あーーー…。
昴兄も彼が何故工藤邸の前に居るのか、その理由に辿り着いたようで。
一緒に後部座席に居るコナン君を振り返る。
コナン君の顔と言ったら、やべぇやっちまった、いや仕方なかったんだ、そうゆう顔をしている。
「コナン君、何か言う事はありますか」
「うぇぇ…し、仕方なかったんだっ…!
愛香さんをもし見つけたら絶対連絡してって、何回も何回も念押しされてたから…」
『…はぁ…』
「とりあえず家に行きましょうか、あまり長く待たせても良い事なさそうですし」
私もコナン君も頷き歩き出す。
工藤邸の前に着くとやはりあの人が居て。
私が居る事に気がつく時走ってこっちに向かって来る、え、怖い。
走って来た勢いのまま、ばっと抱き締められた。
「貴方はっ…目を離すとすぐ何処かへ消えてしまう…」
『ご心配をおかけしました…安室さん』
彼の正体を知っている為複雑な思いのまま、安室さんが満足するまで抱き締められる事にする。
やがて満足したのか、隣にいる昴兄を睨みつけながら離れて行った。