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透明な約束【名探偵コナン/安室】

第2章 喫茶ポアロにて


コナンはとうとう自分から声をかけようとしたが、柊羽が百面相を始めたのでもう少し見守ることにした。



(あの人、よく夢で聞くあの声に似てる…でもなんか、トーンとか柔らかさ?口調も違う気がするし…ってかそもそもあの声ってなんなの?どっかで聞いたのかなぁ。まさかアニメ?確かにいい声だし…ってことは私二次元にすがってるってこと?30手前の女が二次元に………いや!まだそうと決まった訳じゃ…)



「ホットサンド、お待たせしました。」



自分の思考を支配していたその声に現実に引き戻され、はっと我にかえった。



(やべ、また声かけるタイミング逃したぜ…)



そんなコナンを知ってか知らずか、2人はまた話し始めた。



「大丈夫ですか?何だかボーッとされていましたが。」

「え、あ、すみません考え事を…」

いそいそとパソコンや筆記用具をテーブルの端に寄せ、お皿を置くスペースを作ると、目の前にはホットサンドが置かれた。

「あの、勘違いだったらすみません。もしかして以前どこかでお会いしました?」

柊羽の瞳が一瞬見開かれたのをこの男が見逃すはずはなかったが、あえて触れなかった。

「いえ、初めてだと思います。私も最初はそう思ったんですけど…」

「そう、思った?」





「『声』だよね?」





「こ、コナンくん!?いつから…」

(バーロォ、最初からいたっつーの)

「声って?」

呆れ顔のコナンに安室が尋ねる。

「柊羽姉ちゃん、最初に安室さんを見た時はいつもみたいに気まずそうに目を逸らしたでしょ?でも安室さんが声をかけたらビックリしてたみたいだから。」

(余計なこと言わなくていいから~!)

柊羽は安室の影に隠れながら、コナンに向けて口の前で人差し指を立て、合図を送る

「そう言われてみれば…さすがだねコナンくん!ところで、"いつもみたいに"って?」

(ほら!言わんこっちゃない!!なに推理楽しくなっちゃってんのよ!)

コナンは柊羽が纏う怒りのオーラに押され、「げっ」と後ずさる

「い、いやぁそれはその…」

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