• テキストサイズ

透明な約束【名探偵コナン/安室】

第6章 明らかになる過去



落ち着きを取り戻し、少し恥ずかしくなってどうしようと柊羽が思考を巡らせていると

「あ、そうだ。明日ですが、僕は早朝に1件仕事があるので一旦出かけますが、9時頃には戻りますからその後一緒に出ましょうか」

「探偵のお仕事ですか?」

「えぇまあ、そんなところです。」

はぐらかされたような気がしたが、柊羽は特に追求はしなかった。

「すみません、私がいなかったらポアロまで少し休めたのに…」

「柊羽さん、僕は自分の意思で貴方をここに連れてきたんですから、また次そのことで謝ったら…そうだな、お仕置きしますよ?」

「う、はい、分かりました」

忙しい安室を気遣ったつもりが、思わぬ地雷を踏んでしまったようで。

「9時くらいまでに出かける準備をしておいて下さいね。家のものは自由に使って構いませんから。」

「ほんと…ありがとうございます」

思わず謝罪の言葉が出そうになったのをすんでで堪え、感謝を述べると安室は満足そうに笑っていた。

「じゃあ今日はそろそろ休みますか」

安室は手際よく二人分のカップを片付ける。
柊羽はその背中にそっと近づき、シャツの裾をきゅっと握った。


「…柊羽さん?」

「そのまま、聞いてください。」

安室は水を止め、カップを置いた。

「今日は本当に、ありがとうございました。甘えていいって言ってくれたのも、ビックリしたけど嬉しくて、でももう、結構甘えちゃってるよなとか思ったり…よ、よく分かんないですけど…とにかく、ほんとにほんとに感謝してます…えっと…お、おやすみなさい!」

柊羽は段々自分の言動が恥ずかしくなり、逃げ出すように布団に潜った。

呆気にとられ1人残された安室は、少し間を置き、ふっと笑った。






正直、家に連れてきたのは不可抗力で事故だったとは言え、彼女にとってはあまり良くない選択だったかもしれないと、少し気になっていたが、彼女の言葉でそれは杞憂だったと分かってホッとしていた。

/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp