第4章 歩み寄る影
謎解きは任せたものの、やはり気にはなるもので。
柊羽は湯船に浸かりながら考えていた。
(レシートで何を伝えたいんだろう?ってか、ポスト間違えた可能性もあるよね…だとしても、レシート入れる意味って何?買ってたものもバラバラだし…)
考えても分からなくて、鼻の下までお湯に浸かり、ぶくぶくと息を吐いた。
このままでは逆上せてしまいそうだったので、柊羽はついに諦めお風呂を上がった。
適当に髪を乾かし、リビングへ戻るとスマホが光っている。
その相手は恐らく………
「新一?」
「オメー何で電話出ねぇんだよ!!!!!心配しただろーが!!!!!」
人物の予想は当たったが、こんなに怒っているのは予想外だった。
そして予想外の声の大きさに、思わずスマホから耳を遠ざけた。
「心配した」という優しいワードに反して乱暴な言い方に頬が緩むのを感じた。
「ごめんごめん、そんなに早く連絡くると思ってなくてお風呂入ってたよ」
「ったく…相変わらずマイペースだよな」
「新一は相変わらず心配性だね」
「………反省してねぇなら切るぞ?」
「ごめんってば!解けたんでしょ?」
「んー、まぁ、多分な。確証はねぇけど、柊羽姉宛てかどうかってのが重要なんだよな。」
「私も、ポスト入れ間違えたのかなーとか思ったんだよね」
「なんか他に手掛かりになりそうな変わったことなかったか?」
「え?うーん……変わったことねぇ…」
「何でもいいよ」
「そう言えば今日、帰り道視線を感じてダッシュで帰ってきたよ。人よりそういうの敏感だからもしかしたら気のせいかもだけど…」
「でも無事だったんだな?」
「うん。それで帰ってからポスト開けてこれを見つけて、新一に連絡したってわけ。」
「そうか。なら良かった。まぁとりあえず今日は遅いし、明日ポアロで話そうぜ」
「えっ?教えてくれないの??」
てっきり今答えが聞けると思い身構えていた柊羽は拍子抜けしたように問うた。