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透明な約束【名探偵コナン/安室】

第4章 歩み寄る影


「とりあえず、ご飯にしよっと」



後を付けていたかもしれない誰かのことや、郵便物のことは後回しにして、気分が変わらないうちにご飯を作ろうと腕まくりをした。


料理は嫌いじゃない。


得意かと聞かれたら…自信を持って頷くことはできないが、不味くはない、と、思う。













『ホワイトソースって作れんのかよ!?……うまっ!店のやつじゃん!』

『褒めてくれるのは嬉しいけどつままないでよ!』














(今日はやけに、思い出が蘇るなぁ…まあ幸せなやつならいっか)













グラタンを作ろうと思ったのは思いつきだったが、心のどこかで求めたいたのかもしれない、と柊羽は思っていた。



懐かしい思い出に浸りながら夕食を終え、食休みついでに溜まっていた郵便物を仕分けることにした。

と言ってもほとんどが勧誘やら営業目的のチラシで、それを除くと公共料金の支払いやカードの利用明細、いくつかの封筒が残った。

生活に関わるものは一通り目を通し、振込伝票は鞄にしまった。


「なんだろう、これ」


同じ封筒が3枚。

とりあえず開けてみると、それぞれ1枚ずつあるものが入っていた。


「え、レシート?なんで?」


他に何か入っていないか、光にかざしてみたりして入念にチェックしたが、それ以外には何も見当たらなかった。


(一体誰が、何のために?)



一通だけなら、何かの拍子に紛れ込んだのかとも思えたかもしれないが、流石に三通ともなると意図的なものを感じざるを得ない。

でも全くその意味を見い出せない柊羽は、考えるのは本職に任せよう、と思い立った。



「新一ならきっとすぐ分かるよね」




そう思い、レシート3枚の写メを添付して「この謎、解かれたし」とメールを送った。

そして、考えるのをやめた柊羽は、従兄弟が謎ときをしている間にお風呂に入ることにした。


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