第1章 *御幸一也 『手取り足取り』
貴方side
『ちょっと、倉持!!』
さっきから私のテストをヒラヒラさせながら、
笑ってくる。ムカつくな、こら。
「ヒャッハ!お前英語だけはだめなんだな!赤点ギリギリかよ!」
ヒャハハ、腹痛てぇ...!とか言ってるこいつに殴りたい気持ちを抑える。
『英語だけだから!他は出来るし!』
英語出来なくても就ける職業あるから。
「英語なら教えてやらなくもねぇよ。その代わり数学教えろ。」
少し真面目に言う倉持。
自分が英語得意だからってこの野郎!
『倉持の癖に生意気な!』
「人の厚意を素直に受け取れ馬鹿野郎!」
完全な八つ当たりに頭を叩かれる。痛い。
「んな事言うと教えてあげねーからな。」
『いやいや、倉持様、誰が生意気なんて...。』
そう言って肩を揉んでご機嫌をとると、 今日部活終わったらな。とかえってくる。
『倉持ありがと!数学は任せてよ!』
そんなこと言いながら席につく。
「そういや、御幸は?」
そう言われ見渡すと、不機嫌そうな彼氏こと、御幸が居た。