第2章 *倉持洋一 『彼シャツ』
貴方side
『雨激しいね。』
土曜の朝。
外を見ると、大降りの雨。
この雨じゃグラウンドもぐちゃぐちゃで出来ないので、各個人で自主練となった。
「うっわー、アリス、あんた結構降られたね。」
『幸子...寒い...。』
「シャワー借りてきたら??今日無いんだし、今の時間帯なら誰も使ってないでしょ。」
確かに...。凄く寒い。
急いで家を出た私は、天気予報を確認していなかったため、突然降り出した雨でずぶ濡れだ。
『でも、着替えないんだよなぁ...。』
「言っとくけどあんた、透けてるからね。」
『はっ!?ちょっ、それ先に言ってよ!!』
鞄から急いでタオルをとり、胸に押し当てる。
「でも着替えないのは困った...。私持ってないし。」
『昼まででしょ?マネージャーは。それまで辛抱するしか...。』
雨音が響く部室の中、2人で途方に暮れていた。
___ガチャ
「ここに居たんだな。」
「よぉ。こんな雨の中ご苦労なこった。」
『御幸と倉持。どうしたの?』
「お前らを探してたんだよ。」