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欲望ノ枷【R18】

第3章 散り、咲き乱れし華【R18】




その後、暫くの間二人は抱き合ったままでいた。
ふと、雪音から口を開いた。


雪音「お兄様、今夜の夕食…デザートがあるんです」

煌「デザートかい?へぇ、どんなスイーツを食べれるんだろうね」

何処か悪戯を隠す子供の様に、雪音はクスクスと楽しげに笑う。
その様子に、煌は不思議そうに首を傾けては、にっこりと微笑んで見せる。


雪音「内緒ですっ」


ふふっ、と可愛らしく笑って見せる自分の妹に、煌の鼓動が僅かに跳ねる。
自らの性欲を掻き立て、欲望のままに計画の贄としてしまった。
そんな妹相手に、僅かばかりの恋愛感情を抱いてしまっている事に、煌自身気が付く筈も無かった。


煌「そうか…夜になってからのお楽しみ、かな?」

雪音「はい!楽しみにしていて下さい」


余程、兄の為にと手作りしたケーキを見た時の兄の反応が楽しみで仕方無いのであろう。
クリスマスのプレゼントを開ける前の落ち着きの無い子供の様に、雪音はあちこちに視線をやっては瞼を閉じて微笑んではクスクスと笑う。

その様子を見ては、伝染したかの様に煌は目を細めてクスリと笑った。


二人はその後、リビングで時を過ごした。
雪音の提案で映画を見る事になったのだ。

200inchと大画面のテレビ。
新しい物好きの父、要が買ってきた物だった。
その前に敷かれた、まるでアンゴラの毛皮の様な手触りの良い白いラグの上に雪音が座り、雪音の背後に置かれた真っ黒なレザーのソファには煌が腰掛けていた。

雪音はBlu-rayディスクをセットし、リモコンを操作していた。


煌「どんな内容なんだい?」

雪音「お楽しみです、ふふっ」


またもやお楽しみだと言う妹の子供っぽい笑顔に、煌は釣られて笑う。

室内の明かりを暗くしてから、映画が始まる。

自分の妹は何故こんなにも愛らしいのだろう、そんなシスコン染みた言葉が不意に胸に浮かんでは消えた。
まるで恋人同士であるかの様な位置に腰掛けた妹の真っ白な項が、暗闇に浮かび上がる様に煌の目に映る。


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