第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)
★CBカート・ヴォーン(留学生主)
新しい友達が出来そうな瞬間は『予感』できた。同じ講習を何度か取得して隣の席に座る相手とか自販機でまるっきり同じスナックとドリンクを買ってしまった相手とか。引っ込み思案な僕でも偶然が重なった相手と顔を見合わせて朗らかに笑う事は出来る。その瞬間に友達になれそうだと思えた。
「連絡先交換しねぇ?」
「う、うんっ!」
彼がスマホを見せながらそう笑うから慌ててカバンからスマホを取り出して通話アプリを開き、アドレスの欄を呼び出す。すると真後ろから音もなく太い腕が伸びてきてスマホを奪い取られた。あっと声を上げる間も無く、追い掛けるように振り返る途中でずしりと肩に重さが加わる。カートだった。表情が怖くてつい抱かれた肩が戦慄く。
「カート……」
「なんだ、レイン。スマホなんか取り出して」
「……返して」
「どうして。何に使うんだよ」
「……連絡先交換する」
「誰と。どこにそんな相手がいるんだよ。……なぁ、そこの人、レインと連絡先を交換する相手がどこにいるんだろうなぁ。なぁっ!」
カートの咆哮にびくんと身体を震わせた彼は「や、やっぱりまた今度な!」と声を裏返らせながら顔を真っ青にして行ってしまった。ああ、せっかく友達が出来る気がしていたのに!
「カートのばか、なにするんだよ!」
「お前に変な虫がつかないように守ってやったんだろ。今の奴、レインがスマホ出してた時にいっやらしい目付きで尻見てたぜ」
「そんなわけないだろ!!」
★Sジョン・ワトソン
俺がくしゅっとくしゃみをすると、ワトソン先生が目を光らせた。しまったと思ってももう遅い。彼は俺に対して飛び切り過保護だ。特にシャーロックさんと仲違いしてからは姉さんの唯一の肉親である俺を勝手に忘れ形見にして、過保護っぷりを急加速させていた。
ただ鼻がムズムズしただけだと弁明連ねる俺を無視して、部屋の暖房を二度上げて上着を着せてブランケットを三枚も羽織らせてきた。熱々の紅茶をカップに注ぎながら「君になにかあればお姉さんに合わせる顔が無いよ」と青白い顔を更に白くしていた。
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