• テキストサイズ

星条旗のショアライン

第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)



★LoTアトム&ジョン・コンスタンティン

学校の正門で隣の家のレイモンドさんと、見知らぬ男が俺を待っていた。レイモンドさんは有名な博士だ。頭が良くて口数が少なくてクールで格好良くて、密かに憧れの存在だったのに、いま目の前にいるレイモンドさんは、まるで別人だった。俺を見つけた途端に巨躯を揺らして走り寄って来て「小さい時のレインの姿……なんて可愛らしいんだっ!」と叫んだ。
見知らぬ男は春先なのに生地の厚いコートを羽織っていて不審極まりないけど、「待て待て! どうしても見たいって言うから無理して立ち寄っただけだ! 今のレインに指一本でも触れたら歴史が変わっちまう事、忘れてないよな!」と意味深な台詞を吠えながら、鼻息を荒らげて俺に飛びかかろうとしているレイモンドさんを全力で止めてくれているから、案外良い人なのかもしれない。
「歴史が変わるってなぁに?」
「本来の時間軸のお前が女になって、この変態野郎のベイビーを産まされるんだ。お前だって嫌だろ」
「よく分からないけど……俺はレイモンドさんの赤ちゃんなら頭の良い子が産まれてきそうって思う」
「おいおいこの世界のレインは随分天然だな……」
「そうだよっレインッ、僕達の赤ちゃんは素晴らしい才能を持った子になるっ、さ、つくろうかっ!」
「お前は口を閉じろっ! 犯罪者になりたいのかっ!」

★Aキャプテン・アメリカ

昨今になって増えてきたという美意識高い系男子を除く平凡な男というものは基本的に顔を洗って髭を剃るくらいしか顔のケアをしないわけだが、そんな我々も剃刀負けという恐怖と常に向き合っていかねばならないという点においては己の顔を労る時間は彼らと等しい。急いでいた訳ではなかったが、今朝になって久しぶりに剃刀負けを起こした。口元が荒れ、痛みが引かない。喋る度、食事をする度にピリッとした痛みが走る。
「っ……!」
「レイン……!?」
そんな時に剃刀負けとは無縁なキャプテン・ロジャースがタイミング悪く俺の異変に気付いて顔を覗き込んでくる。誰に殴られただの、何をされただの、あらぬ方向へと気を揉む彼に「いや今朝ね……」と切り出すと「あ、朝から暴力を!?」とまたとんでもない誤解をしていた。

/ 263ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp