第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)
★Aソー
ソーが髪の毛を触らせてくれる事はない。恋人の俺にですら。毛髪が力の源になる逸話は童話でも漫画でも良くある展開だし、触らせないという行動原理に疑問を持ったことは無かった。でも彼の髪が誰かの手に撚って明らかに結われた形跡を見てしまうと胸の内を嫉妬が走り抜けた。
「ソー」
「どうした、可愛い顔が台無しだ」
そう言って大きな手で優しく頬を撫でられると、少しだけ心のささくれが落ちる。困ったように笑いながら顔を覗き込まれて眉間に刻まれたしわを解すように何度もそこへキスを落とされると、怒りも薄れていくのだから凄い。いちいち所作がセクシーだ。いつの間にか頬にあった手が後頭部に回っていてしっかり首を支えていたり、そういうスマートなところは嫌いじゃない。
キスをされている間、俺の耳を何度も掠めるソーの髪。光を吸収してひらひらと輝く度に触りたい欲が湧いてくる。俺よりも先に彼の髪に触れた者がいる……その事実がどうしても許せなかった。
★FAウィンター・ソルジャー
暗殺者に狙われるような事をした覚えは何一つない。世界を変えるような研究も兵器の製造もした事がないただのサラリーマンなのに何故、左腕が義手の暗殺者然とした男性に狙われているんだろう。
「結婚してくれ」
「あ、そっちかぁ」
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