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星条旗のショアライン

第24章 SSS キャラ×男主(―/30日更新)



★S2057メイス(救済if)

「があぁっ!」
飛沫を纏いながら冷却水から飛び出したメイスが凍える息を吐く間にイカロスと彼の隙間へ腕を差し込む。彼の片足が機械系に挟まりかけているが、脚を横にずらして最悪の事態を回避した。ジーンズのベルト通しを掴んで思いっきり巨躯を引っ張り上げると、メイスは濡れた排水溝の蓋へ身を横たえた。寒さに痙攣する身体と呼吸が痛々しい。俺は予定通り、上着を広げてインナーをジーンズから引っ張り出した。
「あ、あぁっ、痛てぇ、はぁっ、うぅ"っ」
「メイス、ほら、はやく!」
「レイン……レインッ……」
インナーを前に伸ばして腹を見せるように待ち構えれば、全身を震わせたメイスが裾元から頭を突っ込んで抱き着いてくる。すかさず裾を下ろして上着を羽織れば、胸を掠めるメイスの呼吸が少しだけ穏やかになった。傍から見ると不格好だが、肌を合わせる事が熱を分けて彼を救う事に繋がる。子をあやす様に服の上から力いっぱいメイスを抱き締めると、今度こそ安堵したような呼気が穏やかに首筋を登った。
「レインの身体、癖になりそうだ……」
「冗談言ってないで次のメインを引き下ろせっ!」
「人使い荒すぎだろ!」

★SPカーティス&エドガー

プロテインバーにかぶりついた途端にガリッと硬い感触が歯に当たって顔を顰める。吐き出すと銀色の小さなカプセルのようだった。これはカーティスが皆に手を回してまで欲しがっていた物かもしれない。でも俺は彼が苦手で、出来れば目も合わせたくなかった。
ひとつくらい紛失したって困らないだろうと答えを急いで、冷や汗を掻きながらポケットにそれを仕舞うと、タイミング悪くベッドの脇を通ったエドガーが目敏く見付けて飛び掛かってきた。
「おい、それ!」
「あーっばかばかばかでかい声出すなっ!」
「カーティス! あったぞ!」
「呼ぶなっ!」
ベッドが二人分の重さにギシリと歪んだ悲鳴を上げたかと思うと、徐々に中央へたわみ始める。下段で良かったとかそういう問題じゃない、俺のベッドを壊す気か!
「――誰だ!」
「レインだ!」
「――っよし、いま行く!」
遠くでカーティスが返事をする。なにが『よし』だ。なりふり構わずに走ってくる男の鬼気迫る表情に身体が震えた。

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