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星条旗のショアライン

第20章 ルーカス・リー(SPvsW/第二話)



……――つまり何だ。トッドもラモーナの元カレって事か。ということは彼も邪悪な元カレ軍団の一人ってことだな。よし四の五の言わずに今すぐこの場から退散だ他人の修羅場にはもう関わりたくねぇ。

(10)

「やだぁぁっ離してえぇっ!!」
「僕と一緒に居てよ、レイン」
顔が近い俺にしか分からない程度にはデレデレしているルーカスに不本意ながら有らん限りの力でしがみ付き、首根っこを引き掴んで離さないスコットに抗う。ラモーナと円満に付き合いたいという執念がそうさせているのか、息が詰まるほどの力加減で地獄へ引き摺り込もうとする姿は正直言ってヤバい。ネガスコットだ。闇が深すぎる。振り向いた先でばっちり絡む瞳孔が開いた瞳がなによりも怖い。トッドとの感動が薄れた。ラモーナ考え直せこいつ危険だ!
「僕、気付いたんだ。ラモーナの元カレはみんなレインに吸い寄せられるって。実際に一番目の元カレは僕のメールアドレスを特定する過程で見つけた君に執着していたし、ルーカスはまんまと釣れたしさ。まさかトッドが三番目だと思ってなかったけど……結果オーライだ、君をライブに呼んでよかった」
「最低だこいつ友達を餌にしやがってっ!!」
そもそも邪悪な元カレ軍団とかいうクソダサい名前の軍団は何なんだと噛み付くと、スコットは「今更だね」と嘯くも逡巡した後にそっとラモーナへ目配せする。ラモーナは二番目の元カレであるルーカスがこの場にいる事でちょっとだけ気まずそうに躊躇ったけど、周りの好奇の目に耐えかねたのか重い口を開いた。

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