第2章 出会い
安室「すいません渚さん!忘れ物ですよ!」
「あ、ありがとう。」
私は渡されたハンカチを受け取り、店を後にした。
店から少し離れたところでコンビニに入り、トイレに向かった。
先程渡されたハンカチやカバンの中、服を確認する。
案の定服の袖に付けられていた盗聴器を見つけた。
やれやれ。さっきのハンカチは落ちるはずがないのだ。カバンのポケットに入れていたとはいえ、私は食事をしただけ。それでハンカチを落とすのはおかしい。
この盗聴器で確信した。あの安室透は兄との関係がある。
私は盗聴器をトイレに流して、コンビニでシャルトリューズ、ジンを買って外にでた。
「どうすっかなー。」
とりあえず、今日は早めに帰るか。
あの安室透ってやつのことも知りたいし。
私は家に向かって歩みを進めた。
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安室「通信がきれたか。盗聴されていることに気づいていたのか?いや、それともただの偶然か?」
厨房の奥で悶々と考えていた。
それにしてもあの渚という子。ジンに似ていた。まさかと思うがな……。渚について調べておくか。
ポケットからスマホを取り出し電話をかける
安室「風見か。頼みたいことがある。」
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「……にしてもほんとに兄はどこにいったのやら。」
兄は私に色々教えてくれた。情報収集の仕方や盗聴器のこと、銃の使い方などなど。
どうしてこんなことを覚える必要があるのかと聞いた時があった。兄は《生きるためだ》といった。
なら、私はその生きる手段を使って兄に会いにいく。
唯一の肉親なのだから。