第3章 ヘリオトロープ2 《切原赤也 R18》
「赤也くん、ほ、本当にするんですか…?」
電話越しのの声は羞恥と困惑が入り混じって、もはや涙声だった。しかし、赤也にとってはそれすらも興奮のスパイスにすぎない。
「ほら、この間俺がしたみたいにやって?」
の声に触発されてスイッチが入ってしまった赤也は、事もあろうに電話越しに自慰行為をするよう「お願い」したのである。自室に移っておろおろするをよそに、赤也の口調は有無を言わせない。
「この間、赤也くんがしたみたいに…えっと…ぺろ…」
自分の指を口に含むと、ぴちゃぴちゃと水音を立てながら指先に舌を這わせる。
「そう、もっと、奥まで咥えて…」
「ん、ン…ふぁ、赤也くん…」
赤也の指の感触を思い出しながら舌を這わせ、空いている手でスカートから太ももへと手を伸ばす。
薄暗くて狭い教壇の中で赤也に触れられた箇所を一つ一つ思い出すと、それだけでじわりと体温が上がるのを感じた。
目を閉じて、目の前に赤也がいる事を想像してそのままそろりとショーツの上から秘部に触れると、わずかな湿りが下着越しに指先へ伝わり、自分のいやらしさに堪らなく恥ずかしくなった。
「ンん、ここ、触って…それから…」
ぷっくりと色付く陰核を撫でるとそれだけで全身を痺れるような快感が走る。居るはずのない赤也が目の前で自分の痴態を見ているような感覚に、自身も人知れず興奮していた。
「は、ぁ、やだ、んッ、えっちな声、出ちゃう…」
「の声超興奮する…もっと聞かせろよ…っ」
「ぁん、ぁ…っ…とろとろ、してきた…ぁ、ぁあん!」
「ほら、中、挿れてみ?」
ぎゅうっとシーツを握り締めながら、陰核をくりくりと刺激し、恐る恐る中へ指を挿入する。せり上がってくる快感にの理性はとろけて赤也の言いなりになってしまう。
「ふぅぁ、ぁあん…赤也くんの指、きもちぃの、あッ、赤也くん…っ」
覚えたばかりの快感の発散が上手くできず、は縋るように赤也の名前を呼び、目前の絶頂へと指の抽送を早めた。
「くっ、…っ!」
「あぁっ…あ、んん、あぁぁぁッ!」
赤也の切羽詰まった声と同時にも絶頂を迎えた。蜜でしとどに濡れた指を放り出し、荒い呼吸のままどさりとベッドへ倒れ込むと、ベッドが小さく軋んだ。