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徒然なるままに【文豪ストレイドッグス】

第14章 社内会議


「よし、大体ですが場所は掴みました。何時でも乗り込めます」

 そう云うと、国木田さんと潤一郎くんがヘリまで案内をしてくれた。他の社員さんも付いて来る。

「泉」

 ヘリに乗り込み、離陸の準備をしていると国木田さんが声を掛けた。

「これがコンテナの爆破スイッチだ。間違えて押すなよ」
「其れは振りですか?」
「押したらお前が死ぬだけだから構わんがな」
「冗談ですよ。きっちり爆破してきます」

 スイッチを預かり、右ポケットに突っ込んだ。ふぅ、と深呼吸をする。大丈夫、わたしは敦くんを助け出さなきゃいけないんだから。其れに多分、敦くんが居るなら龍も居る。あの二人が力を合わせれば物凄く強いコンビになれる。大丈夫、信じて。

「必ず、無事に帰ってくるのだよ」

 太宰さんが咳をしながらそう云った。わたしはこくりと頷く。

「妾等も地上で戦うからさ。死ぬンじゃないよ?」
「無事に戻って来たら駄菓子一個あげるから、ちゃんと帰って来てよね」
「何か必要な物があれば地上から放り投げます!」
「此方の事は気にせず、兎に角敦くんを助けて下さい」

 与謝野さん、乱歩さん、賢治くん、潤一郎くんがそれぞれ声を掛けてくれる。わたしは力強く頷いてみせた。
社長が厳しい目でこちらを見る。

「泉」
「……はい」
「お前も探偵社の一員だ。危険な目には遭わせたく無い。だが虎の小僧を助け出せるのはお前しかいない」
「承知しております」
「だから私からも頼む。……行って来い、泉」

 社長の言葉に、わたしはぶるりと背筋が震えた。

「……っ、はい!」

 ヘリの扉を閉める。プロペラを回し、わたしの乗った補給機はゆっくりと上昇した。向かうは白鯨、敦くんの救出へ。

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