第1章 1 (裏なし)
「………………あのさ。」
「なんだ。」
「どういうつもり?」
「…………………。」
「ちょっと勝手すぎると思わないわけ?
10年ぶりに突然会いに来て、調査兵団の失態の埋めあわせをしろって?
それどころか私にはリスクばかりで見返りなんて全く無いし…。」
憲兵団の私が、憲兵団を欺くために調査兵団に協力したなんてバレたら、確実にクビにされる。
だいたい、突然会いに来て、何を言う。
「………ソフィア。
確かにこれはソフィアにリスクしかねぇ。
見返りなんて全くねぇ。」
あっさり認めたその態度にイライラする。
「だがな…」
「何…………。」
「見返りなく協力してくれねぇのか?
俺たちは家族だろ?」