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黒愛2 【進撃の巨人】

第1章 1 (裏なし)


――――――――。

「…………よう。
久しぶりだな。」


この声。

この目。


何も考えられなくなる。



「……………どうして。」


自分の声が信じられないくらい浮遊している。


「………ほう。
10年ぶりなのに、よく俺のことがわかったな。」


全く表情を変えない。
動揺しているのは私だけか。


「見間違えるわけないよ。
そのクッソ悪い目付き。
全く変わってない。
それどころかさらに凶悪になったんじゃない?」


「いつのまにかこんなに生意気になっていたか。
目付きが悪いのはお前もだ。」


「そりゃあそうだろうけどさ。

それで、なに?」


「なに、とは?」


わかってるくせに。
こいつは本当に性格が悪い。

「だから、今や命懸けピクニック集団の人類最強兵士長が、こんな内地まではるばるなんの御用かって聞いてるのよ。」


精一杯嫌みで言うと、彼は少し唇を歪めた。

「ひでぇ言い草だ。」


「あぁ?何?
憲兵団に入りたくなった?
いいと思うよ。
私は歓迎するよ。
壁外なんかとは無縁な生活は悪くないよ。
調査兵団と憲兵団は仲悪いからさ、なかなか上手くいかないだろうけど、憲兵団の上官方の説得は、私も協力して――」

「そんなわけないだろう。
俺は内地で生活するつもりなど一切ない。」


「―――――っ。
分かってるよ。
ただの嫌みだよ……。」


「今日ここに来た理由は1つだ。」

「………………何。」


「明日調査兵団の幹部が召集されている話は知っているだろう。」


あぁ。その話か。

「知ってるけど。」


「なら話ははやい。
ソフィアに頼みがある。
ソフィアにしか頼めない。」


「……………………。」


「このままじゃ、なにも知らねぇ憲兵に調査兵団は潰されちまう。
それは阻止しなくちゃならねぇ。絶対に、だ。」

「その為に、私の協力が必要と?」


「あぁ、そうだ。」



なんて勝手なんだ。
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