第3章 3 (裏なし)
思考が止まる。
少しの痛みと、初めて感じる温かさ。
…………エレンに
抱き締められてる。
体が一気に熱を持つ。
エレンは私の首筋に自分の顔を埋めるようにして、私を抱きすくめる。
エレンの体も、とても熱い。
「……………エレン。」
「わ、わるい。急に…」
エレンの温かい吐息が首筋にかかり、顔回りの髪を揺らす。
「でも……………。」
「………………………。」
「わりぃけど、俺も…男だし………」
かすれた吐息混じりの声が、そう発音する。
エレンの腕ってこんな硬かったんだ、とか
エレンの胸板ってこんなしっかりしてたんだ、とか
案外身長差があったんだ、とか余計なことを考えてしまって頭がおかしくなりそうだ。