第3章 3 (裏なし)
「…………………。」
エレンへの愛しさが込み上げて、どうしようもない。
私はいつのまにかエレンを強く抱き返していた。
エレンがびっくりしたように体をビクッとさせる。
だけど、すぐにさらに強く私を抱きしめ直した。
抱きしめてみて、初めてわかる。
華奢でありながら男らしい体格をしたエレン。
エレンの胸板に顔を埋めると、お風呂に入ったばかりなのか石鹸の香りがした。
「ソフィア………」
「…………ん?」
「ごめんな。
俺…ソフィアも俺のこと好きって知って…
そしたら急にどうやって話したらいいかわからなくなっちまったんだ。」
そう言ってエレンは私の髪をくしゃりと優しく手で掴んだ。
「…………そ、それは、私もだよ。
普通に話したいけど…緊張しちゃう。」